TBS「金スマ」や日テレ「シューイチ」、NHK「あさイチ」など数多くのメディアで紹介され話題になっている料理研究家・水島弘史シェフの科学的調理法。
特に野菜炒めをシャキシャキにするには「強火でジャー!」と一気に仕上げるのが良いと思っていた世間の常識の逆を行く「弱火で作りなさい」という作り方を紹介していました。
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今日は、水島シェフのレシピというよりも、その科学的な作り方を確認してみました。
水っぽくならない野菜炒めは、まず野菜の切り方から
科学的な観点から見た、野菜炒めが水っぽくなる原因は、材料を切るときに野菜の細胞を壊してしまうのが原因とのこと。
水島シェフが紹介していた野菜の切り方は、姿勢と包丁の使い方が重要とのことでした。
<姿勢>
包丁は腕のラインとまっすぐなるように構え、調理台に対して少し斜めに立ちます。
姿勢が悪いと不必要な方向から包丁に力が細胞がつぶれる原因にもなるようです。
<包丁の使い方>
親指と人さし指で挟むように持ち、中指で支えるようにし力を入れずに握ります。
包丁の刃先から指2本分ぐらいのところが一番切れやすい部分ですので、ここを意識して刃先のカーブに沿った形で上下させながら優しく切っていきます。長さが足りなくて一度で切れなくても、何度か繰り返して刃を入れれば大丈夫です。
水島シェフによると、こうすることで野菜の細胞をできるだけ壊さず、水分が出過ぎるのを防ぐことができるそうです。
そう考えると、当然包丁は研ぐなどしてよく切れるようにしておいた方が良さそうですね。
弱火調理で作る野菜炒めの作り方
水島シェフの野菜炒めは火を点ける前に野菜を入れます。
① まず冷たい状態のフライパンに野菜を入れ、油は野菜の上から回しかけます。まず野菜全体に油をなじませてから弱火にかけ、2、3分くらいの間隔で時々上下を返しながら8~10分ほど野菜にじっくり火を通します。弱火で炒めることで野菜の水分や旨味が外に出にくくなります。あまりかき混ぜ過ぎると熱が野菜に伝わりにくくなるため混ぜすぎも良くないそうです。
またニンジンなど火通りの悪い野菜は先に下茹でをしておいた方が良いようです。
② 塩の量は材料の重さの0.8%程度にします。
水島さんによると、この塩分量は、人間の体内の塩分濃度(0.8~0.9%)に近く、人間の脳が本能的に美味しいと感じる塩加減とのこと。他の料理でも同様におっしゃってましたね。
①、②のポイントを生かして実際にお肉などを入れた野菜炒めを作る場合、この後に豚肉を入れて塩コショウで味を整え、弱火で15分程度炒め、火が通ったら最後に香ばしさを足すために30秒だけ強火にして炒め、仕上げに鍋肌からごま油を回し入れて軽く混ぜ合わせたら完成です。
まとめ
中華料理などでは強火で一気に炒めてると思われがちですが、鍋の周りから意外と熱は逃げているそうで、鍋振りや混ぜ合わせることで熱の通りをコントロールしているようです。
プロの技術で上手に切った野菜と、火通しの加減は素人には真似できないですが、水島シェフの紹介している方法なら、私たちにも真似できそうですね。
ぜひ参考にしてみたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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